アニメ
カエルくん(以下カエル)
「今回は『アニメとは何か?』ということを考えていく記事だということだけど……なんでこのタイミングでこのことを語るの?」
ブログ主(以下主)
「やりたいことは他にも幾つかあって、お嬢さんのレビューも書きたいし、もうだいぶ前の話になるけれど、日本アカデミー賞についても語りたいことはあるんだけど……
それでも今語っておいた方がいいと思うんだよね」
カエル「まあ、このブログは主にアニメについて語っていることがすごく多いから、その大元になるこの話はしておいた方がいいんだろうけれど……」
主「これから先もアニメの話はしていくし、このお話があるかないかによって、実は色々な作品の見え方が変わってくると思うわけよ。
というわけで、今回はそんな『アニメ』と『アニメーション』のお話。結構いろいろと言われていることだから、改めて言及することでもないかもしれないけれどね」
カエル「オタクがみんな主みたいに意識高いわけじゃないしねぇ……」
主「自分なんかはこの話はアニメを観る、語る上では一番大切なことだとも思うけれど、そんな人は少数派なんだろうね。だからこそ、このブログも独自性があるんだろうけれどさ」
カエル「じゃあそんな批評……というよりも評論になるのかな? 記事を始めようか!」
1 『アニメ』と『アニメーション』
なぜ『君の名は。』はアカデミー賞にノミネートされなかったか?
2 アニメーションって何?
独特の進化を遂げた日本の『アニメ』
3 各監督たちの意識
各監督の意識
4 アニメ化するハリウッド映画
アニメともアニメーションとも違うもの
5 日本のアニメーション
オススメの『アニメーション』作品
最後に
1 『アニメ』と『アニメーション』
カエル「で、まずは何から語り始めるの?」
主「すごく基本的なことだけど、カエルは『アニメーション』の意味って知っている?」
カエル「え? あれだよね、ラテン語のanimaを語源としていて、その意味は『生命を与えて動かす』とか、そういうことだよね?」
主「そうね。動物のことをanimalと書くけれど、これも語源としては同じ。つまり魂があって動くものをanimaと呼ぶようだね。
魂というと『soul』だったり『spirit』などもあるけれど、どれも微妙に使い方は違うということが面白い。実はこれは昔の人の魂に対する考え方や、日本語にも通じてくることなんだけど、今回は割愛するよ」
カエル「こういうのも調べると色々と面白いよね。
で、アニメーションというのは『物が動いて見える』という意味みたいなものなわけだ」
主「そうそう。
一時期、お笑い芸人の鉄拳のパラパラ漫画が流行ったけれど、あれも自分に言わせて貰えばアニメなんだよ。というか、全てのパラパラ漫画はアニメと同じ。原理は全く一緒だから。
で、ここからが大事なんだけど……実は『アニメ』と『アニメーション』を混同して考えると、よくわからないことになってくる」
blog.monogatarukame.net
なぜ『君の名は。』はアカデミー賞にノミネートされなかったか?
カエル「この論調は一時期マスコミを中心にいろいろ言及されていたけれど、結局はアカデミー賞向きじゃないから、という言葉で納得行く人が多かった気がする。そこまでの評価の作品ではない、という人もいたよね」
主「ここが欧米と日本の『アニメ』と『アニメーション』に対する考え方の違いなわけ。
日本人が考えるアニメというのは、実は欧米のアニメーションと必ずしもイコールではない。日本人が考えるアニメというと、やはり君の名は。などのような萌えやロボットが出てくるような作品を連想するけれど、それは欧米の考えるものとは少し違う。
だからよく言われることだけど、アニメというのは『日本で独特の進化を遂げたアニメーション』を指す言葉であり、アニメーションとはまた違うものである、という意識が必要なわけ」
カエル「なんでそんなことを考えないといけないの?」
主「多くのアニメファン、アニメオタクにとってはあまり理解する必要はないよ。だけど、自分みたいな物語を語る人間には、それが理解できていないと見誤ることがあるわけだよ。
つまり、日本においては興行的に失敗した『レッドタートル ある島の物語』がアカデミー賞にノミネートされて、『君の名は。』が評価されなかったかというと、それはこの視点があるとよくわかる。で、この視点がないとレッドタートルという作品は見えてこない。
はっきりいうけれど、自分はレッドタートルの批評には完全に失敗しているから。この視点があればもっと色々語れたけれど、すっかり抜け落ちていた。その反省も生かしての評論になるよ」
2 アニメーションって何?
カエル「じゃあ、ここで主が語るアニメーションって一体なんなの?」
主「昨年公開した映画でいうと『レッドタートル』もそうだし、あとはヨーロッパのアニメ映画だけど『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』とか、あとは名作だと『木を植えた男』とか……日本人にも馴染みがあるのが『つみきのいえ』になるのかな?
アートアニメに分類されるような作品というと、感覚的にわかりやすいかもしれない」